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この記事の目次(7 項目)
公式データ:建設業の人手不足はどれほどか なぜここまで不足するのか:立法院の研究報告が示すこと BIMエンジニアはこの不足数に含まれないのに、なぜ引く手あまたなのか 人手不足とBIM人材の争奪が同時に起きる理由 この方向を考えているなら、それは何を意味するか よくある質問 自分がこの道に向いているか知りたい方へ
業界観察・ヘッドハンターの視点

建設業は本当に人手不足?なぜBIMエンジニアはかえって引く手あまたなのか

端的な答え

人手不足は事実ですが、不足しているのは主に現場の作業人員です。台湾の内政部国土署の統計では、全国の建設業の人手不足は4.6万人を超え、そのうち現場作業員の欠員が70%超を占めています(工商時報 2026年8月3日の報道)。BIMエンジニアのようなオフィスでの技術・調整職はこの不足数の集計対象に入っていませんが、私たちが実務で接する採用企業の間では、こうした職種の人材争奪は現場人員に劣りません。両者の需給構造がまったく違うためです。

公式の数字:建設業はいったい何人不足しているのか

まず数字をはっきりさせ、業界で出回っている印象論の数字は繰り返しません。台湾内政部国土署が発表した「営造業経済概況」をもとに、工商時報が2026年8月3日に報じた内容は以下のとおりです:

  • 全国の建設業の人手不足は推計4.6万人超
  • そのうち現場作業員の欠員は32,525人で、不足全体の70%超を占め、不足の主な原因となっています
  • 内訳を見ると、一般作業員の欠員は約 9,917人、技能工の欠員は約 2.2万人
  • 地域別の分布:中部地域が10,248人で最も多く、北部地域が9,977人で次ぎ、南部地域が8,082人でその次です
  • 外国人労働者の雇用状況:建設業企業の92.7%は外国人労働者を雇用していません。雇用の割合は企業規模が大きくなるほど上がり、従業員300人以上の企業では外国人労働者の雇用率が81.6%と、すべての規模区分の中で最も高くなっています

出典:台湾の内政部国土署「営造業経済概況」調査、工商時報 2026年8月3日の報道による引用。人手不足の統計方法とサンプルは公式発表に準じ、本記事は整理・紹介のみで独自の推計は行っていません。

なぜここまで不足したのか:立法院の研究報告が示すもの

人手不足は一日で起きたものではありません。台湾の立法院の研究評価部門が 2023 年 8 月に発表した分析報告によると、建設業の欠員率は 2018 年(民国 107 年)の 2.26% から、2021 年(民国 110 年)には 5.14% まで上昇しました。報告が挙げる要因は、少子化による労働人口全体の減少、建設業の労働災害率の高さによる若者離れ、そして台湾企業の国内回帰による工場建設、前瞻インフラ計画、都市再開発・老朽建物の建て替えなど複数の工事需要が同時に押し寄せ、人材需要が同じ時期に集中して急増したことです。

出典:台湾立法院「建設業の人手不足問題に関する研究分析」、2023年8月作成。これは構造的な原因に関する背景説明であり、最新の人手不足の数字ではありません。実際の不足状況は前節の2026年のデータをご参照ください。

BIMエンジニアはこの人手不足の枠に入っていないのに、なぜ同じく引く手あまたなのか

上の統計を見ると、「建設業全体が人手不足だから、どの求人でも簡単に見つかる」と誤解しがちです。しかし不足の内訳ははっきりしていて、数えられているのは現場の基礎的な労働力(一般作業員、技能工)であり、オフィスで計画・モデリング・調整を担う技術職や管理職ではありません。BIMエンジニアは後者に属するため、「基礎労働者の欠員」という統計項目には現れません。

しかし私たちが実際に接している採用企業では、BIM職の人材獲得競争は現場人材に劣らず、一部の求人では「学科不問・会社が研修を提供」という条件まで出しています(詳しくは関連学科でなくてもBIMエンジニアに転職できる?)——これは通常、需給バランスが崩れていることの直接的な表れで、企業の善意ではありません。理由は2つあります:

  • 半導体とAI関連産業の工場建設ラッシュは、2種類の人材需要を同時に押し上げています。ここ数年相次いで着工しているテック系の工場プロジェクトでは、建物を建てる現場の作業人員と、分野横断的な機電・構造・建築モデルを統合するBIMチームの両方が必要です。2つの需要が同時に急増している一方で、学校が毎年育成するBIM関連人材の数は追いついていません
  • 一部のデベロッパーはBIMを現場人員への依存を減らす手段と位置づけていますが、その結果、かえってBIM人材の需要が高まっています。公開報道によると、興富發建設は2022年に約5億台湾ドルを投じ、10年をかけて100人超規模のBIMチームを構築し、施工プロセスをまずコンピューター上でシミュレーションすることで、人手の需要を2〜3割減らすことを目指しています。この考え方は業界では珍しくありません。技術で現場作業員への依存を減らすには、まずそのプロセスを構築できるだけのBIM人材が必要になる。つまり「作業員を探す」プレッシャーの一部が、「BIMエンジニアを探す」プレッシャーに置き換わったのです

興富發の事例の出典:CTWANT、2022年4月5日の報道。これは1社の公開事例で、業界の考え方を説明するためのものであり、業界全体の一般的なデータではありません。また時点が数年前のため、参考程度にご覧ください。

ヘッドハンターの視点

私たちが接する建設・建築関連の求人のうち、現場の基層職とBIM/技術職では難易度がまったく異なります。現場の基層職が埋まらない理由はたいてい意欲の問題で、待遇や労働環境が地元の労働力にとって魅力に欠けることにあります。一方、BIM職が埋まらない理由はたいてい供給の問題で、求める条件(Revitが使える、分野横断の調整ができる、現場に対応できる)を満たす人がそもそも市場に足りません。2つのボトルネックには全く別の解決策が必要で、同じ「人手不足」でひとくくりにすると判断を誤りやすくなります。

人手不足とBIM人材の争奪が同時に起きるのはなぜか

現場の基礎人員BIM/技術転換に伴う職能
欠員の性質公式統計で明確に計上されている不足は3.2万人超基礎労働者の統計には含まれないが、実際の採用は同じく難しい
人手不足の主な原因職場環境と待遇が地元の労働力にとって魅力に乏しく、若者が敬遠している人材育成のスピードが工場建設ラッシュの需要の伸びに追いついていない
企業の対応策外国人労働者の受け入れ枠を申請する(ただし全体の雇用率はまだ低い)学科の制限を緩める、自社で育成する、求人を出して人材を奪い合う
求職者にとっての意味求人数は多いが、働き方や待遇を受け入れられるかは自分で見極める必要ありハードルが比較的はっきりしていて(ソフトのスキルは学べる)、企業が研修コストをかける意欲がある

この2つは矛盾しません。同じ業界の中で、性質がまったく異なる2種類の人材不足が起きているのです。建設業界全体の人手不足は事実ですが、そこから「建設関連の仕事はどれも人が見つからない」と推論すると、BIMのような技術転換に伴う役割で起きている、もう一つの需給のアンバランスを見落としてしまいます。

この方向に進むことを考えているなら、これは何を意味するか

需給の不均衡は求職者にとって中立的な事実であり、保証ではありません。企業が今、研修コストをかけ、専攻の条件を緩めてでもこうした職種の欠員を埋めようとしているため、入り口のハードルは比較的やさしいということです。ただし、給与がこの先も上がり続けるとは限らず、誰にでも向いているわけでもありません。現場との協調性、学ぶ意欲、専門分野をまたいだコミュニケーション力が、実際の採用の決め手です。業界に入る準備については 関連学科出身でなくてもBIMエンジニアに転職できる? を、すでにBIMの仕事をしていてこの先の道を知りたい方は BIMエンジニアを3年やった後のキャリアは? をご覧ください。

よくある質問

建設業の人手不足は、BIMエンジニアも不足しているということ?+

両者は別の統計項目ですが、方向は同じです。公式の人手不足統計が数えているのは現場の一般労働者(普通工・技能工)で、BIMのような技術職は含まれていません。ただ実際の採用の現場から見ると、BIMの求人も同じように埋まりにくく、理由が違うだけです。意欲の問題ではなく、人材育成のスピードが工場建設ラッシュの需要に追いついていないのです。

なぜBIMの求人には「学科不問・研修あり」とよく書かれているの?+

企業自身が計算した結果、「専攻出身+経験あり」の人材を待っていても、必要な人数は市場でそろわないとわかっているからです。ただ待つより自社で育てるほうがよく、特に一度に大量の人員を補充する必要がある大型の工場建設案件では、ほぼ必ずこうした条件の求人が出ます。

人手不足で BIM エンジニアの給与は上がり続ける?+

需給の不均衡は確かに給与を下支えしていますが、際限なく上がるわけではなく、職位とも強く関係します。実際の給与レンジは BIMエンジニアの給与相場 を参考にしてください。ここでは将来の給与動向は保証できず、言えるのは、企業が今提示している条件が現在の需給状況を反映しているということだけです。

今、建設業やBIMへの転職は良いタイミング?+

需給の観点から見ると、現在は企業が研修コストを投じ、学科の制限を緩める意欲が確かに高く、業界への入り口は比較的入りやすくなっています。ただ「好機」かどうかは本人の適性にもよります。現場への対応力、学ぶ意欲、専門をまたぐコミュニケーション力が、長く続けられるかのカギであることに変わりはありません。この記事は「必ず価値がある」とは保証せず、現状を判断する材料を提供するだけです。

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